大電力を要する工場、病院、商業施設が自前で導入・管理する小規模変電設備
キュービクル(キュービクル式高圧受電設備)とは、発電所から送電線を通って送られてくる6,600Vの高電圧を200VまたはVボルトに変換(変圧)して、工場や病院、オフィスビルなど各種施設で利用できるようにするための“自前”の変電設備です。
一般家庭や小規模事業所へは電柱上部の変圧用トランス(電力会社の管理物)で200V、100Vに変換済みの電気が送られてきますが、工場や各種施設などでは6,600Vを敷地内に引き込んでキュービクルによって必要な大電力を得ています。なお、電気の利用契約は「高圧受電契約」と「低圧受電契約」の2つに大別できますが、キュービクルを導入する工場や施設は高圧受電契約を行う必要があります。
■キュービクルの種類
正式にはJIS規格で規定されているが、一般名称としてキュービクルが使われることも
JIS(日本工業規格)では、「高圧(公称電圧6.6kV、系統短絡電流12.5kA以下の回路に用いる受電設備容量4,000kVA)の受電設備として使用する機器一式を金属箱内に収めたもの」をキュービクルと厳密に定義しています。ただし、一般には上記を超える仕様でも、金属製の箱に収納されている受変電設備であれば、同じようにキュービクルと呼ばれることも。
たとえばJEM(日本電気工業規格)による高圧受電設備のうち、電圧3.6~36kVを扱う金属閉鎖形配電盤は「金属閉鎖形スイッチギアおよびコントロールギア」と定義付けられていますがJIS規格のものと同様にキュービクルという呼称が使われる場合もあります。
今やキュービクルとは「キュービクル式高圧受電設備」全般を指す一般呼称と言えます。
非常時の際に最大限に発揮する発電機
消防法ではビルやマンション、公共施設など、大勢の人が集まる場所や一定以上の規模を持つ建物に消防設備、 排煙設備等の電源確保の為に非常用発電機の設置が義務付けられております。
日本国内の電力事情は非常に良好で、 停電することはほとんどなく、雷撃や地震など、自然現象による停電の場合でも、長期に渡る停電が発生することは殆どありません。
しかし、火災などが発生し、電力会社からの電源供給が途絶えた場合、防災設備が作動できないことが想定されます。
非常用発電設備は、 いざというときに稼動しなければ何にもなりませんから、それを避けるために、法律によって法定点検が定められています。